BDA Season3 カリキュラム

Business Design Accountant養成講座Season3のカリキュラムは下記に記載のとおりです。
Season3では、ブランド・マーケティングを深く学びます。ブランディングとは、世の中の生活者の記憶に影響を与えて、中長期的に買って頂くことを目的にしたマーケティング手法です。抽象度の高い議論が続きますが、抽象度の高さは、頭の良さのメルクマールでもありますので、皆さんならば十分に理解できるはずです。
なお、講義内容は、適宜変更することがあります。

CURRICULUM 01

第1講|記憶の仕組みとブランド・マーケティング

まずは、ブランドとは何か、ブランド・マーケティングとは何かという定義から始めましょう。基本中の基本ですが、多くのビジネスマンが、ブランドをふわっとしたイメージとして捉えていらっしゃるとお見受けしますし、また、デザイナーやWebデザインの職能を提供する方々は、美しいクールなデザインを以てブランドだと勘違いしている方もとても多いように思います。

ブランドの定義を適切に行った上で、ブランド・マーケティングの定義とその機能を理解することが肝要であり、そうすることでダイレクト・マーケティングや、ショッパー・マーケティング/バイヤー・マーケティングとの違いも明確になって、マーケティング全体の解像度が格段に上がることになります。

また、マーケティングは人間の記憶を対象として展開される活動ですので、マーケティングの生物学的側面、つまりは記憶の仕組み自体をしっかりと理解しておく必要があります。

本講では、ヒトの記憶の仕組み、ブランド・マーケティングの定義とその歴史を中心にお話を致します。

CURRICULUM 02

第2講|記憶と想起とプレファレンス

世の中の生活者に買ってもらうためには、自社ブランドが世の中に存在していることを知ってもらっている必要がありますが、それだけでは十分ではなく、自社ブランドの存在が生活者に記憶され、将来の何らかの特定の文脈で思い出してもらうことが必要になります。記憶されるとしても、悪いまたは良くないモノとして記憶されていると、思い出されにくくなるので、当然ですが、良いモノとして記憶されていることが必要です。つまり、他の競合ブランドよりも好意的なブランドとして記憶されている必要があり、この選好性をプレファレンスと呼びます。プレファレンスが高いブランドは記憶されやすく、結果、将来の何らかの文脈で思い出してもらいやすくなるので、結果、買ってもらいやすくなります。

世の中でよく売れているブランドは、市場全体で生活者が思い出す回数が多いブランドなのであり、結局、ブランドに対する選好性=プレファレンスが市場シェアを決定しているということができます。アサヒ・スーパー・ドライがビール市場のシェア1位なのは、市場全体のプレファレンスの総計が最も多いからなのです。本項では、このプレファレンスを上げる方法を学びます。

CURRICULUM 03

第3講|想起とCEPs

プレファレンスが高いブランドは想起され、想起集合入りする確率が高くなりますし、想起集合から選ばれてお買い上げされる確率も高くなります。そして想起される回数が多ければ、買われる回数も多くなりますので、想起される文脈が多いブランドの方が圧倒的に有利になります。想起される文脈のことを、カテゴリー・エントリー・ポイント(Category Entry Points=CEPs)といい、CEPsが多ければ多いほど、ブランドが想起され、買われる機会が増加することになります。

たとえば、Aさんはコーヒー好きで、PC仕事をする時、会社帰りに一息つきたい時、読むべき本がある時、ソファで居眠りしたい時、彼女とデートの待ち合わせをする時、会社の同僚とプロジェクトの話をしたい時にスターバックスを訪れます。また、Aさんは、営業で外出中に10分程度の空き時間がある時には、ドトールに入って珈琲を飲みます。Aさんは、多くの様々な文脈でスターバックスを思い出して店舗を訪れて珈琲を飲みますが、ドトールを思い出して訪れるのは営業の隙間時間だけです。Aさんの珈琲消費額は圧倒的にスターバックスの方が多いことがわかりますが、それは、スターバックスを思い出す文脈が多いからです。このように、思い出すこと(想起)とCEPsは切っても切れない関係にありますが、本項では、2つの概念の関係を深く学ぶます。

CURRICULUM 04

第4講|CEPsとUSP

前講でお話しした想起とCEPsの関係は理解できても、CEPsを押さえさえすれば想起されるという単純な因果関係として誤解して理解している人がとても多いように思います。自社ブランドを思い出してもらえる文脈(CEPs)を押さえることは大切ですが、それだけでは想起されるための必要条件に過ぎず、自社ブランドが想起される際に、自社ブランドが提供することができる独自の価値(=USP:Unique Selling Proposition)が同時に想起されていることも併せて必要になります。せっかくブランド名を想起されても、そこに生活者が感じるブランド独自の価値が想起されなければ、想起集合入りを果たしていても、最終選択されてお買い上げに至ることはありません。

例えば、東京出張する機会を利用して、東京在住の京都出身のお友達と夕食を共にする約束をした際に、京都土産として「おたべ」を思い出す人は多いでしょうが、思い出したから買うかと言われると、そういう人は少数派で、他のお土産(茶の華など)を買い求める人の方が多いのではないでしょうか(おたべさん、ごめんなさい。)

これは、想起したけれど、そこにブランド独自の価値(この場合、お土産として喜んでもらえるという価値)が伴わないからでしょう。このように、単に特定の文脈(この場合、東京出張時に、京都出身のお友達に渡す手土産を買う文脈)でブランドを思い出すだけでは十分ではなく、ブランド想起と同時にUSPを想起することが必要になるわけです。

CURRICULUM 05

第5講|2つのアベイラビリティと売上

さて、前講までに記憶され想起されることの重要性を学びましたが、実は想起されるだけでは片手落ちで、買ってもらうためにはもう1つの重要な概念を充足する必要があります。

北の国からのロケ地になった北海道の羅臼を観光で訪れ、純が働いていた漁港を見て感動し、「感動したらお腹が空いたな。吉野家で牛でもしばいとくか。」と吉野家の牛丼を思い出したものの、あたりを見渡しても吉野家のお店など見当たらず、仕方がないので、道の駅でホッキ貝カレーを食べたというケースでは、せっかく、「お腹が空いた」という文脈で「吉野家」というブランドを思い出した(想起された!)のに、お店がないから牛丼を買えなかったという、吉野家からすればとても残念なケースになります。せっかく、吉野家ブランドを思い出してもらえたのにも関わらず、実店舗が羅臼にはなかったために、買ってもらえなかったのです。

この事例からわかるように、買ってもらうためには思い出してもらうだけでは不十分で、すぐに買える状態を作ってあげることが必要であるということです。思い出してもらいやすい状態を作ることと、買ってもらいやすい状態を作ることは、どちらもかけてはならないビジネスの2大必要条件です。

CURRICULUM 06

第6講|ブランド・エクイティ ①認知と知覚品質

プレファレンスを上げることが、想起率を高め、購買率を上げるキモであることはすでに前講までに学びましたが、そのプレファレンスを上げる方法の一つが、ブランド・エクイティを上げることでした。ブランド・エクイティの構成要素は4つですが、本講では、そのうち認知と知覚品質の2つの概念を学びます。ブランド認知というと、ブランド名を知っていることと誤解されがちですが、それだけにとどまらず、ブランドに関連するその他の情報も知っていることを指す概念であり、次講で扱うブランド連想とも重なる概念です。単にブランド名を知っているよりももっと深くブランドのことを知っている状態を指し、そういうレベルであれば、ブランドの関する情報が互いに繋がり易くなるからです。当該ブランドを深く知ってもらっている状況は、ブランド側からすればまさに無形の資産であり、ブランド・エクイティを高める効果を持ち得ます。

一方、知覚品質は、ブランドの製品・サービスが持つ客観的な品質を指すものではなく、世の中の生活者が当該製品・サービスに対して主観的に感じている品質を指す概念です。当該品質が高ければ高いほど、世の中の生活者から評価が高いブランドということになりますから、ブランド・エクイティは高まることになります。

CURRICULUM 07

第7講|ブランド・エクイティ ②ロイヤルティと連想

ブランド・エクイティの構成要素は4つですが、本講では、そのうちブランド・ロイヤルティとブランド連想の2つの概念を学びます。ロイヤルティとは直訳すれば「忠誠心」という意味であり、ブランドに対する好意度を表す指標になります。概して、ロイヤルティが高ければ、買ってもらえる確率は高まるので、ブランド・エクイティ自体が高まっていると言えます。

ロイヤルティについては、本当に「忠誠心」のような情緒的なロイヤルティがブランドの成長に寄与しているのかというのが大きな論点になります。つまり、「ロイヤルティが高まる→売上が増える」という因果関係が本当に存在するのかについては議論があるところであり、本講でも深く検討する予定です。

一方、ブランド連想とは、生活者の記憶の中で、ブランド名に関連して記憶されている情報のかたまり(ブランド・スキーマ)を指し、その量と質が確保されれば、ブランド・エクイティは高まり、プレファレンスが高まることは容易に想像できるでしょう。

また、ブランド連想は、ブランドへ入ってくる入口であるCEPs(カテゴリー・エントリー・ポイント)とも関連する概念なので、両者を繋げて理解しておくことは、実務の現場でのマーケティング思考にとってとても重要です。

CURRICULUM 08

第8講|ブランド・エクイティ ③ブランド資産

第6講で学んだブランド認知や知覚品質、第7講で学んだブランド・ロイヤルティやブランド連想は、世の中の生活者の頭に存在するブランド情報としての無形資産であり、ブランド資産の一部を構成するものですが、本講でいうブランド資産とは、ブランド名が明記されていなくても、消費者の頭の中で「あのブランドだ!」と即座に識別・想起させるための視覚・聴覚などの感覚的な手がかり(シグナル)のことを指します。ブランド・ロゴやブランド・カラー、パッケージ、サウンド、キャラクター等々、様々なものが該当しますが、一見一聴して特定のブランドだと識別性を持つ資産なので、当然ながら独自性を持つことが必要です。

世の中の生活者がブランドに愛着を持つなどプレファレンスを高める以前に、売り場などで「見つけてもらう」、「思い出してもらう」ための入口として機能するものであるため、特定のブランドの識別性が最優先されます。また、大半の生活者はブランドに強い愛着を持っていないライト・ユーザーやノン・ユーザーであるため、頼りない記憶のネットワークを繋ぎ止める手がかりとして識別性の高いブランド独自の資産が有効となるのです。

本講では、ブランド・エクイティの1つとして機能するブランド独自の資産を検討していきます。

CURRICULUM 09

第9講|伝統的マーケティングの限界―STPで成長するのか

フィリップ・コトラーのフレーム枠の中でもっとも有名なものがSTP理論です。世の中の生活者の嗜好が多様化した1980年代に従来のマス・マーケティングが通用しなくなった頃に提示された理論なので、非常にタイミングが良く、世界中の実務家に受け入れられました。その後ずっと現在までマーケティングの基本戦略として、世界中で疑われることなく常に用いられた理論ですが、昨今のビッグデータを扱った実証研究の結果、STP理論に拘泥したことが原因でビジネスがスケールしなかった事例がいくつも報告されるようになって、STP理論の有効性に疑念がもたれるようになりました。

STP理論が有効に機能する場合もありますが、STP理論に拘泥した結果、ビジネスの制約条件になってしまう場合もあるので、STP理論の適用場面には注意が必要なのです。

CURRICULUM 10

第10講|差別化戦略に効果はあるのか

コトラーのSTP理論によれば、STで特定の市場セグメントにターゲティングしたら、そのセグメントを構成する生活者ターゲットの頭の中に自社の独自の価値をポジショニングすることが推奨されます。そして、その独自のポジショニングを獲得するために、製品・価格・体験等で差別化することを行います。他の競合先と少しでも新しいスペックで製品差別化を図り、競合よりも安い価格で価格差別化を図り、競合先には実現できない体験で差別化を図るなどです。

コトラー等の伝統的なマーケティングを学んできた実務者からすれば、新製品を企画する時にはまず差別化を図ることを考え、差別化しないと売れないという強迫観念に近いモノを感じていることが多いように思います。

さて、ここで検討しなければならないことは、本当に差別化は売上に貢献しているのかという、おおよそ誰も検討してこなかった命題です。差別化という概念は様々な問題が内包されており、そもそも成熟市場で、製品差別化が本当に意味を持つのか、差別化よりも同質化が重要なのではないのか、製品や価格、体験等で差別化できているという実証データが存在しているのか等々です。本講では、差別化の本質について考えてみます。

CURRICULUM 11

第11講|ライト・ユーザーとヘビー・ユーザー

日本はすでに人口減少社会に突入して久しく、新規顧客を獲得するのは困難になっているので、既存顧客を大切にしてリピート回数を増やしたり、購買金額を上げてもらったりする必要があるという既存顧客重視(ファン重視)のマーケティングが実しやかに語られたことがありました。ブランドからすれば、年間に何個も買ってくれたり、何度も来店してくれるヘビー・ユーザーに対しては好感を持つのも当然です。何度もリピートしてくれて、ブランドに対して落としてくれる利益額も多いので、ついついサービスしてしまいがちです。

さて、このような既存顧客重視のマーケティングは正しいのでしょうか。人口減少社会に突入したという文脈の中で、10年位前にファンを大事にしましょう当ファン・マーケティングが流行りましたが、本当にファン一辺倒にビジネスの基盤の中心を置いてもよいのでしょうか。そして、既存顧客に依存してしまうビジネスは成長するのでしょうか。そもそも、ヘビー・ユーザーとは、どのような顧客を指すのでしょうか。

本講では、このあたりのモヤモヤ感を一掃して、ビジネスを伸長させるためにはライト・ユーザーとヘビー・ユーザーをどのように扱えばいいのかを検討します。

CURRICULUM 12

第12講|2つの売上と買われ方の違い

ビジネスを考える時に、まずするべきことは環境分析でもSTP分析でもなく、その商品やサービスが「どのように買われているのか」を深く洞察することです。

売上は、購買回数を基準にして分けると、トライアル売上(新規顧客による売上)とリピート売上(既存顧客による売上)とに区分できます。そして実は、新規顧客がモノやサービスを買う時と、既存顧客がモノはサービスを買う時の買われ方は、全く異なります。

また、商品やサービスは、「最寄品」と「買回り品/専門品」に大きく区分できますが、「最寄品」の買われ方と、「買い回り品/専門品」の買われ方も実は大きく異なります。

以上から、各々の買われ方が2通り存在するので、世の中の全ての商品は、4通り(2×2)の買われ方が存在することになり、この4通りの買われ方の基本を抑えておくことは極めて重要です。

買われ方を徹底的に分析することで、4Pのどこに注力するべきか、コミュニケーションはどうするべきか等々、マーケティング基本戦略や具体策に示唆を与えてくれます。本講では、4つの買われ方を深く検討していきます。

Season3の受講料

受講料は、30,000円(税別)/1研修であり、Season(12回)で360,000円(税別)です。
特定回だけのご受講はご遠慮いただいており、Season開始前に12回分を事前にお振込み頂くことにしております。
ご受講をご希望の方は、お問い合わせからお申し込みください。