BDA Season1 カリキュラム
Business Design Accountant養成講座Season1のカリキュラムは下記に記載のとおりです。
Season1では、伝統的なマーケティングの中心概念であるSTPと環境分析を前半で学んだ後、Season1の山場であるインサイト論を2回にわたって学び、
最終講でVisionを中心に学びます。
第1講|マーケティング概論
マーケティングを学ぶのが全くの初めてという方を前提に、マーケティングに興味を持ってもらえるように、概論では定番のマーケティングの定義、マーケティングの歴史のみならず、様々なトピックをお話いたします。
マーケティングは、様々な企業経営に関する知見の中でも直接的に売上アップに貢献できる唯一の知見なので、他の経営分野の知見よりも圧倒的に優先的に学ぶべきものです。
マーケティングが会計や税法と大きく違うところは、マーケティングは各々の知識の結合がとても重要であり、単独の知識ではビジネスでは全く歯が立たないという点でしょう。減価償却を学べば、減価償却に関するパートの仕事を任されても全うできますし、交際費チェックの仕事を任されれば、交際費に関する知識があれば大外しはしません。一方で、マーケティングでは、「あなたは昨日STPを学んだから、今日のクライアントではSTPをチェックしてね。」とはならないわけです。有機的に結合された網羅的なマーケティングの知識を実装して初めて、クライアントのビジネス上の問題点を指摘できるようになるわけで、そうなるまでに相応の時間がかかることは最初の理解しておいたほうが宜しいと思います。
加えて、マーケティング的な思考は、ビジネスの現場だけでなく、人生の様々な場面においても非常に役に立つことがご理解いただけると思います。仕事においても、人生においても役に立つ、ある意味、コストパフォーマンスの高い知識がマーケティングなのです。
第2講|マーケティングのSTP-ST(セグメンテーションとターゲティング)
フィリップ・コトラーというマーケティングの大家をご存じでしょうか。彼が、1980年頃にまとめたマーケティング理論の中でも特に有名なのがマーケティングのSTPと呼ばれるフレームワークです。(彼自身が考え出したわけでなく、あくまで彼が体系的にまとめたものです。)
第2次大戦後、世界がどんどん豊かになって、世の中の生活者の嗜好が多様化した結果、マス・マーケティングが限界を迎えたと思われた時代に、対象市場を細分化(Segmentation:セグメンテーション)し、細分化した1つの市場セグメントを標的市場(Targeting:ターゲティング)と捉えてビジネスを展開するという考え方を提示したものです。
現代的には、セグメンテーションすることの可否については議論が多く、ビジネスの置かれた文脈によっては、上手く当てはまらないことも多いといわれていますが、この点についても解説します。
第3講|マーケティングのSTP-P(ポジショニング)
フィリップ・コトラーによって提示されたSTPと呼ばれるフレームワークの最後のPがポジショニング(Positioning)です。
S(セグメンテーション)とT(ターゲティング)によって細分化され標的市場化された市場セグメントの中に存在する生活者に対して、「自社ブランドが提供できる価値は、〇〇なのだ!」と訴求し、生活者の頭の中に強く印象付けるために、競合他社とは異なる独自のポジショニング(生活者の頭の中における自社ブランドの立ち位置)を決めることをいいます。
競合他社にはない自社ブランド独自のポジショニングを取れた方が、生活者の記憶に残り易いため、こういった文脈からは「差別化」という概念が尊重されることになります。製品差別化、サービス差別化、ブランド差別化等々です。
コトラーの言う独自のポジショニング、つまりは差別化が本当に売上の向上に役立っているのかは、最近のマーケティング研究者の実証研究によって明らかになっていますが、伝統的なマーケティングのフレームワークを一通り学ぶことを目的としているので、ここでは深入りはしません。
また、ポジショニング理論としては他に、戦略論のマイケル:ポーターのポジショニング論がありますが、これについては、第9講の環境分析②―5Forces分析で学びます。
第4講|4P-Product-Concept開発
マーケティングの基本戦略と呼ばれるSTP論の後を受けて、STPで決まったマーケティングの基本方針を具体化するフレームワークをマーケティング・ミックスと呼びますが、その代表的なフレームワークが4Pと呼ばれるものです。4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販売促進(Promotion)の英語表記の頭文字である4つのPから名付けられたものです。
第4講では、4Pのうち、製品・サービス(Product)を学びます。製品・サービスの中心概念がコンセプトですので、コンセプトとは何か、コンセプトの作り方を学びます。製品・サービスの中心概念がコンセプトであると書きましたが、目に見える製品、目に見えないサービスの約90%程度を占めるものがコンセプトです。ここが決まらないと、製品の形状やデザイン、包装等々、及び、その他の4Pも具体的に決まらないことになりますので、4Pの中でも最も重要な概念であるということができます。マーケティングらしい学びの回です。
第5講|4P-Price-価格理論
4Pの2つ目の価格(Price)について学びます。ビジネスにおいて価格の決定は非常に重要であり、かつ、その決定が最も難しいものになります。1円や10円の値上げは、そのまま粗利益の改善に繋がりますので、粗利率の劇的な改善に繋がることも非常に多いです。逆に、値上げは生活者のブランドに対するプレファレンス(選好性)を引き下げますので、販売量は減少するのが一般的です。
生活者にペイン(金銭的な痛み)を感じさせずにいかに値上げできるかを巡っては様々な考え方がありますので、多くの知見を整理して身に付けておきましょう。価格理論の中には行動経済学的な視点で説明されるものもあり、非合理的な意思決定者としての側面も持ち合わせる人間の深みも理解できることでしょう。
第6講|4P-Place-流通理論
4Pの3つ目は流通(Place)です。販売チャネルや販売までの経路、立地等を決めることを指します。4Pの中では最も地味で、後回しにされがちな概念ですが、実は超重要概念です。
生産した製品をできるだけ多くの生活者に買ってもらえるように、「買いやすさ」をデザインする視点が流通(Place)だからです。その「買いやすさ」をデザインするために、伝統的な業態である「問屋」の機能への深い理解がとても大切になります。日頃何気なく買っているスーパーに置かれた鮮魚が、どのような流通を経て世の中の多くの生活者の元へ運ばれているかを理解することで、流通機能の持つ重要性と、「買いやすさ」とのリンクがリアルに理解できることと思います。
また、リアル店舗を展開する場合には、その立地が売上に与える影響はとても大きく、同じものを売るとしても、立地によって売上は大きく左右されます。立地の基本的な考え方も併せて学んでおきましょう。
流通の中の小売業の詳細な検討は、シーズン2第4講のショッパー・マーケティング、及び第5講のバイヤー・マーケティングで行います。
第7講|4P-Promotion-販売促進
4Pの最後は販売促進(Promotion)です。販売促進は、広告宣伝、PR、人的販売、狭義の販売促進(Sales Promotion)の4つからなります。広告宣伝はBDA全講義を通して、人的販売とPRはシーズン2で詳細に学びますので、ここでは、狭義の販売促進(Sales Promotion)について学びます。
狭義の販売促進は、店頭で認知、興味関心を獲得後、すぐに買ってもらうことに重きを置かれることが多いのですが、実は中長期的に来店者の記憶に残して将来の特定文脈で思い出してもらう設計をすることも重要です。量的、質的の双方から販売促進を押さえておきましょう。
また、店頭施策は、シーズン2第4講のショッパー・マーケティング、及び第5講のバイヤー・マーケティングとも大きく関連を持ちますので、知識の結合を意識しながら学んでください。
第8講|環境分析①―PEST分析と3C分析
第8講と第9講の2回に渡って環境分析を学びます。第8講では、PEST分析と3C分析を学びます。環境とは企業を取り巻く環境であり、環境分析は、比較的企業からは距離のある外部環境分析と、距離の近い内部環境分析からなります。
外部環境分析はPEST分析を指し、PESTとは、Politics(政治的要因)、Economics(経済的要因)、Social(社会的要因)、Technology(技術的要因)の4つの観点から、企業経営に影響を与える外部環境の変化を網羅的に検討しようとするものです。
内部環境分析は、3C分析、5Forces分析、VRIO分析等々が代表的なものですが、第8講では、3C分析を学びます。3Cとは、Customer(市場=顧客)、Competitor(競合企業)、Company(自社)の3つの頭文字を指し、3つの関わり合いから、自社及び競合企業の強みと弱みを把握しようとするものです。世の中の多くの3C分析が長所と短所、特徴や欠点の検討に終始してしまっていることには注意が必要です。
第9講|環境分析②―5Forces分析とVRIO分析
内部環境分析は、3C分析、5Forces分析、VRIO分析等々が代表的なものですが、第9講では、5Forces分析とVRIO分析を学びます。5Forces分析は、競争戦略論の中でもポジショニング論の大家であるマイケル・ポーターによるフレームワークで、業界の競争環境を分析するものであり、VRIO分析は、競争戦略論の中でも資源論の大家であるJ・バーニーによるフレームワークで、企業内部に存在する経営資源を分析するものです。
マイケル・ポーターのポジショニング論は、業界におけるポジショニングに競争優位の源泉を見出そうとするものであり、J・バーニーの資源論は、自社に存在する経営資源に競争優位の源泉を見出そうとするものであるので、一体どちらが企業の競争優位を説明する理論として正しいのかという疑問が生まれます。世の中的には、「ポジショニングか、資源か。」という対立構造の中で話題にされることが多いのですが、その認識は間違っていることも分析フレームワークと共に学んでおきましょう。
第10講|インサイト論①
「マーケティングはインサイトに始まり、インサイトに終わる。」と言っても過言ではないほど、マーケティングのあらゆる文脈で登場する概念がインサイトです。インサイトは直訳すれば、「中を見る=洞察する」となりますが、マーケティング用語としては、決定的な訳語はありません。インサイトという言葉に与えられる最も多い訳語は、「消費者の深層心理に潜む、消費者自身も気付いていない気持ち・欲望」であることが多いように思います。この言葉がマーケティングのあらゆる場面で出てくるのは、常に消費者の深層心理を洞察することが、マーケティングとは切っても切れないからです。
個人的には、「インサイトとは、まだ誰も気づいていない新たな視点を、ビジネスに与えること」だと思っていますが、この新たな視点に対する言明が、世の中の消費者の深層心理に潜む欲望に刺さる結果が観察されるので、インサイトの定義として、「消費者の深層心理に潜む欲望」となるのだと思っています。
深く考えると、夜も眠れなくなる難解な概念ですので、「インサイトとは、消費者の深層心理に潜む気持ち・欲望である」と定義して、サラッと流すほうが宜しいでしょう。
第11講|インサイト論②
インサイトを、「消費者の深層心理に潜む、消費者自身も気付いていない欲望・気持ち」と定義するにしても、「欲望・気持ち」のようなふわふわしたものを、ビジネスにおいて商品開発やコミュニケーション企画に用いても良いのかという本質的な問いが残ります。
この問いに対する回答としては、マーケティングにおいてはインサイトだけを考えていてもダメで、というか、インサイトだけを単独で考えることはなくて、インサイトが成立する文脈を同時に考えることがマストだからです。人の気持ちや欲望というモノは、単独で存在しているわけではなくて、必ずそのインサイトが成立する文脈が存在します。ファクトとしての文脈を考えることで、そのインサイトの存在可能性を間接的に担保できるわけです。
個人的には、「消費者の深層心理に潜む欲望・気持ちであるインサイト」をダイレクトに考えるよりも、消費者が置かれている文脈を深堀する方がビジネスでの適用可能性は高いと考えています。
第12講|Mission-Vision-Concept
BDASeason1の最終講は、Mission-Vision-Conceptを学びます。詳細は講義に譲りますが、MissionはVisionから生まれたものなので、意味は異なりますが、考え方は同じです。ここでは、Visionを深堀りして、第4講で学んだConceptとの関りも併せて説明します。Mission-Visionを学ぶことで、日本の企業の社長室等に大きく貼られていることが多い「経営理念」のような言葉が、いかに中身のない空虚なものであるかも理解することができます。
一方で、Mission-Visionを上手に言語化することができたとしても、売上に直接的な影響を与えることはないと思っています。素晴らしいMissionやVisionを掲げた企業の市場シェアが、そうではない企業の市場シェアを凌駕するという実証データがあるわけではないからです。
しかしながら、素晴らしい言葉で語られるMissionやVisionにヒトを動かす力がないとも思えません。同じような品質、価格で似たような商品やサービスがあった場合、そのブランドが語るMissionやVisionが素晴らしければ、そちらを選択することはあるはずですから。
また、MissonやVisionを学ぶことで、人を動かす「強い言葉」の必要条件を学ぶことができます。
Season1の受講料
受講料は、30,000円(税別)/1研修であり、Season(12回)で360,000円(税別)です。
特定回だけのご受講はご遠慮いただいており、Season開始前に12回分を事前にお振込み頂くことにしております。
ご受講をご希望の方は、お問い合わせからお申し込みください。
